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モノのブロックチェーン。特別な時計の物語

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ある町に完璧な仕事で有名な時計工場がありました。工場で作られた時計はとても人気がありました。町の有名人やお金持ちが自分のコレクションに入れるためにその素晴らしい時計をたくさん買っていました。そしてある日、工場は今まで誰も作ったことがない、そしてこれからも誰にもまねできないものを作ろうと思いました。それで“特別な時計”が誕生しました。そしてその特別な時計に特別なお祝いも必要だったから、工場はブロックチェーンに記録を作って、そこに特別な時計のモデルナンバーや管理番号、将来の持ち主のための取扱説明書などを記しました。
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時計工場はとても忙しい工場だったから、時計を買いたい人ひとりひとりに時計を売る時間がありませんでした。工場はこの一週間で作ったものを(あの特別な時計も)ボブじいさんの時計屋へ送りました。そして特別な時計のブロックチェーン記録に「私の唯一信頼できるパートナーである我が古き友ボブに商売のために渡します」と書き足して時計と一緒にブロックチェーン記録もボブ宛に送りました。
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それでボブじいさんの時計屋の一番大きいショーウィンドーに特別な時計が置かれました。その時計は、サファイアでできたガラスやパラジウムのフレームが道の反対側からでも見えるほど輝いていました。そこでマイクという男の目に留まりました。
マイクは時計屋に入ってボブじいさんに特別な時計のことを聞きました。ボブは、その時計が世界で一つしかないと言って、時だけじゃなくて歴史も刻んでいると教えてくれました。そして時計の本当の持ち主だけが歴史に自分のストーリーを残せることも。感動したマイクは時計を買うことにしました。そしてボブじいさんはブロックチェーン記録に「本日付でマイク様にご購入いただきました」と書き足して、時計も記録もマイクに渡しました。
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帰り道でマイクは時計を見ながら、20年後に自分の息子にその時計を上げてブロックチェーンにそのことを書き込む日を想像していました。時がたてば、特別な時計がマイクの家族の家宝になるでしょう。
そんなふうに夢に浸っていたマイクを泥棒のハリーが見かけました。宝石のように輝いていた特別な時計がほしくなったハリーは、マイクの命の保証と引き換えに時計を譲ってもらいました。場所を変えて時計を詳しく見ると、なんてすてきな時計でした!「100ポンドもするだろ!」とハリーが喜びました
次の日、ハリーは盗んだものを売ろうとしました。しかし、不思議なことに、どんな客も最初は嬉しそうに商品を見ていたが、特別な時計に自分のスマートフォンを向けた途端に、顔色を変えて無言で帰っていってしまいました。
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その日、ハリーは警察に逮捕されました。そして、裁判でやっと捕まった理由を知らされました。実は、前の日に時計を盗られて悲しんでいたマイクは家に帰ってブロックチェーン記録を変えたのです。「これはマイクの家族の家宝です。いついつどこどこでこの時計を盗られてしまいました。見かけたら、どこどこにご連絡ください」
ハリーを訪れた客たちのスマートフォンに表示されたのはそんな言葉です。数人が警察に通報したから、ハリーが逮捕されました。しかし、そんなことをわかっていたとしてもハリーは本当の持ち主として時計を売る術はありませんでした。あれは特別な時計だったからです。マイクだけの時計だったからです。
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